《紀行文》大入島 おおにゅうじま 2018・前2018年4月29日「島旅は、予定通りいかないのが予定通り」なんてよく言うけれど、楽しい旅の準備中に、嵐の港で島に渡れず立ち尽くしている姿はあまり想像したくない。大分への島旅を予定していた3月は、北西だった風が南寄りに吹きだす頃で、晴れれば穏やかで過ごしやすい一方、急速に発達する低気圧――いわゆる『爆弾低気圧』――にバッティングしてしまえば、大荒れで島旅どころではなくなる。この時期に島へ行くなら、その可能性を念頭に置いて計画を練る必要がある。そもそも島旅は欠航と背中合わせで、5:5の確率で欠航すると思っておいた方がいい。例え渡れたとしても帰ってくる船が欠航してしまう可能性も含まれるので、この時期に限ってはあながち間違いではない数字だ...2019.10.03 14:35大入島大分県
《紀行文》保戸島 ほとじま 2018・前2018年3月23日-25日日本国内を歩いていると、諸外国の美しい景色になぞらえて『日本の○○○』と呼ぶ場所に出会うときがある。今回訪れた保戸島も「日本のナポリ」とか「日本の香港」と呼ばれているらしい。平地が殆どない小さな島に、明治中期より始まったマグロの遠洋漁業で財を成した島民が、港前の山肌にびっしりとコンクリートのビル集落を造った。その全景が、ナポリだとか香港だとか言われる所以らしいのだが。それはさておき、私は海外へ何か国か行ったことはあるけれど、ここ数年は好んで国内の旅を楽しんでいる。噛めば噛むほど、歩けば歩くほど味が出てくる日本各地の風景。それを、海外の景観と重ねて「似てる」「似てない」などと比較するのは、本来そこにある真の...2018.09.26 15:52保戸島大分県
《紀行文》無垢島 むくじま 20182018年3月25日(日)とにかく名前からくるイメージが良い。どれほど無垢な姿をしている島なのだろうと、訪れる前からイメージが膨らむ。無垢島へ向かう航路は、1週間のうち、2便の運航がある日は「火・木・日」のみで、それ以外は1便や運休日になる。島へ渡ったきり、帰って来られなくなる1便の日が週の半分というのが、無垢島アクセスの難しさだった。無垢島の民宿も近年無くなってしまったので、何としても日帰りをする必要がある。(1軒あった民宿は、常連だった客のみ受け入れているそう/釣り客情報)今回は、日帰りできる日曜日を選んだ。朝8:30に本土の津久見港を出港する船に乗り、15:00に島を出るというスケジュールだ。火曜日と木曜日は、船が微妙に津久見...2018.09.24 15:00無垢島大分県